時計塔のマザーグース


街の中央に大きな時計塔を抱える蒸気都市、ネバーランド

険しい山脈と深い森林に囲まれ、小さな集落に過ぎなかったこの村は、

ある日を境に急速な発展を遂げ、独自の文明を築き上げた。

 

 

この街で生まれた少女、マーブルはある日、

猫を助けようとして高所から落下し、致命傷を負ってしまう。

自身の身体から生命の維持に必要な物が失われていくマーブルの視界は、

兄であるテオドールが慌てて駆け寄って来たところで暗闇に落ちた。

 

 

 

次にマーブルが目を覚ましたのは、よく知るベッドの上だった。 

 


メインストーリー

 

エピローグ 旅人の話・b

 

プロローグ 旅人の話・a

 


登場人物


主人公と仲間たち


マーブル -Marble-

好奇心旺盛で天真爛漫な少女。卵の姿に変えられた兄を元に戻す方法を探す。

アスター -Aster-

マーブルと幼馴染の少年。落ち着いた性格で機械いじりが好き。街の裏路地に詳しい。

ビオラ -Viola-

マーブルの幼馴染。しっかり者で面倒見が良く、マーブルと仲が良いがアスターとはよく喧嘩する。

テオドール -Theodor-

マーブルの兄。とある理由で卵の姿に変えられている。何でもこなせる人だが、妹の事となると面倒臭い人になる。



街の住人


アッシュ -Asche-

テオドールの親友(自称)。

少し軽薄な所もあるが、根は真面目で努力家。下層の時計屋でこっそり働いている。

マーサ -Martha-

アスターの姉。

テオドールとは幼馴染み。

ポプリ -potpourri-

街の有名なパン屋で働いている獣人の女性。よくドーナツを買いに来るマーブルとは顔見知り。

ルーシー -Lucy-

街の下層にある酒場で働いている面倒見の良い女性。

見た目に反して腕っぷしが強い。



街の行政機関


グレゴリー -Gregory-

ネバーランドの現町長で、アッシュとルシウスの父親。

グレゴリーの側近

グレゴリーに仕えている初老の男性。グレゴリーとは旧知の仲。

ルシウス -Lucius-

グレゴリーの息子でアッシュの弟。軽薄な兄よりも、仲間思いなテオドールのことを慕っている。



その他


ステラ -Stella-

体中継ぎ接ぎだらけの、勝ち気で女王様気質な女性。常にサーベルナイフを2本持ち歩いている。仲間と共にある物を探している。

キャラミア -Caramia-

腕や足に包帯を巻いている病弱そうな女性。ステラ、リジーと共にある物を探している。

リジー -Lizzie-

いつも斧を引き摺って持ち歩いている寡黙な女性。ステラやキャラミアと共にある物を探している。

イグニス -Ignis-

入り組んだ裏路地の奥にあるランプ屋の店主。頭の左右から丸まった角が生えている。いつも胡散臭い笑顔で客人を迎える。

パレット -Pallet-

別の町から来たという、笑顔を絶やさない猫好きの女性。のんびり屋で、常に猫が傍に居るが他の動物達は何故か絶対に近寄らない。



✿用語説明✿


ネバーランド

大きな時計塔を中心に広がる蒸気都市。職業や身分によって住める地区が決められており、時計塔に近い場所から上層、中層、下層と無数の裏路地で構成されている。

上層

 時計塔を含めた、都市機能の中枢となる区域。住めるのは一部の権力者のみで、入場するにも許可証が要る。

 

中層

多くの市民が生活する、街の大部分を占める区域。

下層

表通りから離れた、薄暗い居住区域。

実際には上層と中層の間以外には境界となるような建造物は無いが、街並みの様子から住人らは区別して呼んでいる。

裏路地

 中層から下層にかけて張り巡らされた、迷路のような通路。

崩落や住人の勝手な増改築のせいで、行政機関も全貌を把握しきれていない。